仮接着:エマルジョン樹脂

エマルジョン樹脂糊による仮接着

エマルジョン樹脂糊とは、水に溶けない合成樹脂を極小の粒にして、乳化剤を加え水に分散したものです。そのため有機溶剤は使用していません。

エマルジョン樹脂糊の利点

衣料品関係・資材関係の用途で、特にソフトな風合いの接着に向いています。

あらかじめ仮接着をしておくことによって、綿入り製品を作る際の裁断・縫製が加工しやすくなるので、コストダウンにつながります。

エマルジョン樹脂糊の注意点

エマルジョン樹脂糊で接着を行う場合、あまり接着強度は望めません。使用する糊によっては、接着強度の強いものもありますが、基本的には仮接着になります。
そのため、水洗い、ドライクリーニングには対応できないものも多いです。

また、エマルジョン樹脂糊で加工後洗いをかけると、生地はきれいに剥がれますが、糊は残ってしまいます。

代表的な加工例

エマルジョン樹脂糊による加工例をご紹介します。この他にもいろいろありますが、最も代表的な組み合せです。

  • 様々な生地×中綿
  • 様々な生地×ウレタン
  • 様々な生地×キルト
  • 様々な生地×不織布

他の素材の組合せもありますので、お気軽にご相談ください。

設備

イトウニットでは、「ボンディングマシーン」(エマルジョン樹脂使用)1台があります。
2m巾までの加工が可能で、様々な広巾素材に対応できます。

以下は、エマルジョン樹脂糊を用いたスパンボンドとウレタンの加工風景です。なお、写真はクリックで拡大可能です

1.原材料(ウレタン)の設置

1.原材料(ウレタン)の設置

ロール状のウレタンを設置します。

2.原材料(スパン)の設置

ロール状のスパンボンドを設置します。

2.原材料(スパン)の設置
3.原材料設置(スパン×ウレタン)

3.原材料設置の様子

写真のように、接着のためのボンディングマシーンはかなりの長さがあります。各部でたわみやねじれがでないように原材料を送り込みます。

4.ノリの添付

ウレタンへのノリ添付を行います。

4.ノリの添付(スパン×ウレタン)
5.ノリの添付(ウレタン)

5.ノリの添付【拡大】

ノリの添付部分を拡大すると写真のようなドット状になっています。

6.熱ドラムによるノリの乾燥

熱ドラムによってノリを乾燥させます。最適な温度・圧力・時間は素材によって異なります。

6.ノリの乾燥
7.ノリ接着後(スパン×ウレタン)

7.接着乾燥後

接着し、熱ドラムで乾燥した状態です。

8.巻取り

最後の工程である巻取りです。ロール状にしておけば移動も保管も便利なので、基本的にこの形で完成となります。

8.巻取(スパン×ウレタン)

ご依頼の際の注意点

イトウニットにご依頼の際には、以下の点にご留意ください。

イトウニットが手配できる素材

  • 中綿(樹脂綿、羽毛タイプソフト綿)
  • ウレタン
  • スパンボンド
  • トリコットハーフ

お客様で用意していただく素材

  • 加工に使用する、表素材と裏素材
  • お客様の指定する中綿

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